伝説のセクシー女優の小林ひとみがママを務める銀座の高級クラブ『エルプリンセス』に、平成の時代に一世を風靡した元セクシー女優・桜樹ルイがホステスとしてデビューした。ともに昭和・平成を代表するセクシー女優がタッグで挑む銀座の世界とは──。
小林ひとみ(以下、小林):ルイちゃんとは『週刊大衆』の対談企画で初対面したのよね。元々、セクシー女優時代はお会いしたことなかったけど、私は「ルイちゃんは最も作品を売り上げた子」という印象がずっとあったのよ。
桜樹ルイ(以下、桜樹):ありがとうございます。私はデビュー当時からひとみママのアイドル級の容姿に一目惚れし、凛とした仕事への姿勢に憧れ、ずっとその背中を追ってきました。引退後、しばらく私は表舞台から姿を消しましたが、数年前に『週刊ポスト』さんの記事でひとみママが銀座でお店をやっていることを知り、いつか私も働かせていただきたいと思っていたんです。
小林:そうね。それで対談の時に「働かせてほしいんです!」と言われ「ぜひ」という話になったのよね。
桜樹:はい。12月から出勤させていただいていますが、やっぱり「お世話になりました!」って私を知って来て下さるお客様は多いですし、「本物のルイちゃんだー」と言っていただけると嬉しいですね。
小林:みんな紳士的な方が多いでしょう。銀座に来る方って、年齢も高めの方が多くスマートな飲み方をする方たちがほとんど。変なことを言ったり、しつこく口説いてくるような人もないでしょう。
桜樹:そうですね。私は水商売は初体験で、それこそ初出勤の時は「セクシー女優なんだから、触らせてくれるんじゃないの」みたいなお客様も多少いらっしゃるのかと思っていましたが、そんなこと一切ないですね。
小林:それはそうよ。「やらせろ」なんてことを言う人もいません。あんまりしつこい人は「はい、帰って」ってピシャリと言っちゃいますから。
桜樹:わっ! 頼もしい~!
小林:ルイちゃんは今毎週5日出勤で頑張っているわよね。銀座の流儀は覚えることがいっぱいで難しいでしょう?
桜樹:そうですね、まだ1か月も経っていませんが、いろんなことがありました。恥ずかしながら最初はお酒の作り方もわからなかったし、灰皿の取り替え方とかお絞りを出すタイミングとか、本当に目配りすることが多くて。
小林:昔は実はちゃんと開店前に1時間くらい時間を使ってそれらを全部教える人がいたのよ。でも今はその風習もなくなっちゃった。
桜樹:そうなんですね。あとはやはりお客様の担当女性とヘルプとしての私の、そのお客様への対応の仕方など、本当に難しいと思いました。この前、良かれと思ってお客様が担当女性の方と談笑していた時に、そのお客様に席まで行って先日のお礼のご挨拶をしてしまうという行為をしてしまい……。すぐあとにそれは出過ぎた行為としてタブーだと知って、穴があったら入りたいほど本当に落ち込みました。
小林:そうね、そういう場合は席まで行かずに会釈程度でいいのよ。難しいわよね、そういう細かいルールは。
桜樹:はい、本当に。「なんて私って常識知らずで恥ずかしい…」ってその日の帰宅後はあまりの不甲斐なさに自宅でロックを煽りながらぽろっと涙が出てしまいました
小林:何事もひとつひとつ、積み重ねていくことよ。頑張ってるわよ! ルイちゃんは。
桜樹:ありがとうございます。ママの元で今後も修行させてください!
【プロフィール】
小林ひとみ(こばやし・ひとみ)/1963年9月2日生まれ。1986年にAVデビュー。「AVクイーン」として人気を博し、AVの累計売り上げは60億円ともいわれる。2003年に完全引退。現在は銀座のクラブ「エルプリンセス」のママ。
桜樹ルイ(さくらぎ・るい)/1969年3月8日生まれ。1989年4月にAVデビュー。当時1000本売れればヒットと言われる中、1万本を売り上げる人気を誇った。現在、小林ひとみがママを務める銀座のクラブ「エルプリンセス」に勤務中。
取材/河合桃子 撮影/内海裕之
※週刊ポスト2025年1月17・24日号